REPORT

【mocteco 2期生 インタビュー】「国内外の希少な食文化を科学の力で伝承し続ける」小畑夏音さん

創業支援サポートプログラム「mocteco」2期生の声をご紹介します。moctecoにエントリーした動機や、実際にやってみてどうだったか、自分の中で生まれた変化などを教えていただきました。


小畑 夏音さん

mocteco 2期生

北海道大学農学部生物環境工学科 2年(エントリー当時)


Q1.moctecoは何で知りましたか?
道内の学生起業支援プログラムを探していた際に、ホームページでみつけました。

Q2.なぜmoctecoにエントリーしようと思ったのですか?
食品科学の研究活動に軸足を置きつつも、研究から生まれるアイデアや技術を社会にアウトプットする手段として、以前から起業することに興味がありました。学生のうちに多くの失敗をして学べという助言をいただいたこともあり、学生のうちに起業について実践ととおして学びたいと思い、エントリーしました。

Q3.moctecoにエントリーする前はどんなことをやっていましたか?
大学では食品科学の勉強と、課外活動として食品の研究開発に取り組んでいます。高校の時は、ビジネスアイデアコンペなどに応募したことはありましたが、紙媒体でアイデアを出すだけの作業と、実際にヒト・モノ・カネを動かしながら行動に移すのとでは雲泥の差がありました。

Q4.エントリー当時、mocteco で具体的にどんな事業を計画していましたか?
アメリカの伝統菓子であるファッジを日本でも販売することです。ファッジは砂糖と生クリームで固めたお菓子で、様々なフレーバーがあります。可愛くお洒落で、専門店も多くあります。一方で、日本の食文化も研究を進めると地域性や歴史など面白い発展の仕方をしています。ファッジを媒介に、日本とアメリカの食品文化を交流できると思い企画を進めていくことを計画していました。

Q5.その事業を実践したい動機は何ですか?
アメリカではパーティやお祝い事があると必ずと言っていいほどファッジが用意されます。とても甘く、たくさん食べるというよりは、コーヒーと併せてゆっくり食べるものです。専門店もとてもかわいく、いくつか通って、シェフに作り方を見せてもらっているうちにファッジを日本で拡げたいと思うようになりました。同じようにアメリカの人たちにも日本の食文化を知って欲しいと思っています。それらを繋ぐためプロジェクトを企画したいと思いました。

Q6.moctecoに参加してみて、どんな変化や進化がありましたか?また、成長を感じたことはありますか?
学生起業とはいえ、起業したプロジェクトの社会的インパクトの重要性を痛感しました。起業だけではないけれど、プロジェクトの原動力となる目標を具現化することの重要性と難しさを改めて感じました。

Q7.一番印象に残っている出来事を教えてください。
このプロジェクトのパートナーに、初めてWa’dgeのアイデアを話した時、今までにないほどの前向きな反応をしてくれたことです。あの時は、「これなら頑張れる!」と確信できました。苦い思い出で言うと、食品開発の部分で助言をくださっていた大学の教授と意見のすれ違いが起こり、プロジェクト全体の進行が滞ってしまったときはとても絶望的でした。ただ、それがきっかけで自分がなぜこのビジネスをしたいのか、Wa’dgeが起こせる社会インパクトが何なのかについて、改めてじっくり考えるようになりました。

Q8.全4回開催した「mocteco kick off」「mocteco day」「demo day」はどんな時間でしたか?
勉学の関係で、ほとんどのイベントに参加できなかったので、今年もあるならぜひ積極的に参加したいと思っています。ただ、毎回イベントごとに他参加者のみなさんのビジネスアイデアを知ることはでき、そこから自分のビジネスプランに対する刺激やインスピレーションをたくさんいただきました。また、プロの起業家の方などから的確なフィードバックをいただけたり、時にはパネルの方々からWa’dgeに興味を持ってもらえたりと、Wa’dgeプロジェクトの前進につながる糧をたくさん得られたと思います。

Q9.学生向けのプログラムなどがたくさんある中で、moctecoが違うと感じるのはどこだと思いますか?
規模がそこまで大きくない分、参加する学生一人一人に寄り添った手厚いサポートがあるところはmoctecoの最大の強みだと思いました。特に私は勉学の都合上、一つの場所に長期間滞在できないため、長期合宿などを特定の場所で行いながら進める、大規模な学生起業支援プログラムには参加がとても難しかったです。そんな中、moctecoは遠隔でもしっかりサポートしてくださり、合宿などもオンラインでできる範囲で参加させてくださったり、とても柔軟なサポート体制が整っていたところが、他のプログラムにない魅力だと感じました。これからリモートワークが進む中でさらに生きてくる強みだと思いました。

Q10.エントリーしてよかったと思うこと、参加したからこその出来事があれば教えてください。
私はとにかくビジネスや起業を専門とする方とのつながりがなかったので、moctecoへの参加を機に浜中さんをはじめ、何かプロジェクトを起こしたい!と思ったときに相談させてもらえる方々とのつながりが生まれたことは、とても大きな財産になったと思っています。

同時に、初めてビジネスという、ヒト・モノ・カネを自分の手で動かす作業に携わったことで、それに伴う責任の重さと目的意識の重要性を痛感しました。今までは誰かが代わりに責任を取ってくれるという甘えのもと、自由にアイデアだけ創造し、ある程度の形にすることしかしてきたことがありませんでした。その分、全ての責任が自分にある以上、今まで以上に自分の中に強い信念と意志が必要なことに気づきました。今後次々と訪れるであろう、ビジネス以外プロジェクトや研究活動でも、信念と意志を明確にし、それを忠実に守りつつ、責任の重さに縛られないクリエイティブな活動を続けていきたいと思いました。

Q11.あなたにとってmoctecoとは?
未熟なアイデアにもリスペクトし、それを自由に形にすることをサポートしてくれる場所です。

▲アメリカ北東部の伝統菓子「ファッジ」を日本バージョンにアレンジ。写真は醤油のファッジ。

 

Q12.今後moctecoが札幌でどのように広がっていくといいなと思いますか?
どんな些細なアイデアでも、それを形にしたいという学生の思いをバックアップしてくれる場所として広まってくれるといいなと思います。「やれるかわからない」という不安を、一つでも多く、「できる」という自信に変える場所として学生がたくさん集ってくれたらと思っています。

Q13. 最後に、これからの目標や取り組もうとしている事、「こんな世の中にしたい」というビジョンを教えてください!
Wa’dgeのプロジェクトも含め、昨年一年はいろいろなプロジェクトに手を付けてみましたが、やはり自分は「食」に関わる活動をしているときが一番熱が入るし、輝けるなと思いました。現在大学では、持続可能な「食」の形を追求すべく、食品の研究開発に取り組んでいるので、まずは研究室に戻って、真面目に研究に励みたいと思っています。ただ、常にマルチタスクしてしまいたくなる性格なので、課外活動として、Wa’dgeをこれからどう進化させていけるか、どういう形で社会に届けることが最善なのかを再考し、歴史学やビジネスなどで学んだ知識を総動員して、Wa’dgeで新たな形のスイーツブームを起こしたいです!


小畑夏音

北海道大学 農学部 生物環境工学科 2 年。食品科学の知識と技術を実社会に還元したいと思い、海外生活や芸術活動から受けたインスピレーションをもとに、日本文化を学ぶ旧友と共にビジネスに挑戦。国内外の希少な食文化を科学の力で伝承し続けることをモットーに、mocteco のサポートの元、日々起業に向けて試行錯誤している。

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