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「面白い札幌は待っていても来ない」moctecoをはじめた、代表理事 浜中さんに話をききました。

こんにちは。エンブリッジでコーディネーターをしております、江川 南(写真右)です。

よく「ご両親は野球が好きだったの?」と聞かれますが両親は完全なるサッカー派です。

さて、昨年エンブリッジでは、高校生・大学生に向けた創業支援プログラム「mocteco(モクテコ)」をはじめました。これまで大学生に向けた「長期実践型インターンシップ」をメインに取り組んでいたので「なぜ創業支援?」と聞かれることもしばしば。

2~3年前から「必要だよね」と議論が始まり、スタートした昨年は10チームがアイデアの実現にチャレンジし、今年の2期生もたくさんのエントリーをいただきました。

なぜ創業支援をはじめようと思ったのか。やってみてどうだったのか。コーディネーターだからこそ聞けることも、あらためて代表理事の浜中 裕之さん(写真左)に、根掘り葉掘り聞いていきたいと思います!

 


大学生の「社会に出ていく選択肢」を増やしたい

江川:お疲れさまです。

浜中:お疲れさまです。

江川:昨日、moctecoのもう一人のコーディネーター(西元さん)と話していて、「moctecoをもっといろんな人に知ってほしいけど、なぜ始まったか、その経緯ってあまり伝わっていない気がしますね」

「はじめようと思った浜中さんにあらためてインタビューをするのはどうか?」っていう話になり、早速お時間をいただいてみました。

浜中:なるほど。あらたまるとなんか照れますね(笑)

江川:(笑)早速ですが、今までは長期実践型インターンシップがメインでしたが、moctecoを始めようと思った経緯は何ですか?

浜中:大学生の「社会に出ていく選択肢」を増やしたいという根底にある想いは変わらないと思います。「起業」って、気になっている人は多そうだけど、大学卒業後の進路の選択肢に入る人は少ないんじゃないかなと思って。

「興味ある・やってみたい」から「できるかもしれない」って思えるプログラムを札幌につくりたいと思ったのがきっかけですね。

江川:いつころから計画されたんでしょうか?

浜中:一番最初に考え始めたのは、僕が大学4年生の時です。
イギリスにBIG BOOSTという、小学校~高校生が自分で事業をして、それをNPOがお金やコンサルタントをつけて支援していくプログラムがあるのを知りました。

貧困支援の一環で行われていて、自分の事業で学費や生活費を稼いで学校に行く子を支援する仕組みを知って衝撃を受けたのを今でも覚えています。

「自分で事業をする」という感覚は札幌にはないなと当時思って、貧困支援ではないですが事業をする若者を支える仕組みを作ろうと思ったのが10年前です。

その後、BIG BOOSTプログラムの代表が東京に来ている事を知って、会いにも行きました。日本語がとっても上手な女性で「あなたにもできる」と力強い言葉をもらって、札幌に戻って企画書を作ったり、行政機関や企業を回ったりしました。

しかし残念ながら当時は力不足で、一旦は元々やっていた長期インターンの普及に集中することにしたんです。

NPOを設立して10年程経って、心強いスタッフ・メンバーがいてくれて、協力してくださる方々も増えてきて、今ならやれる!としまっていた企画書を出してきて、色々な人の力を借りて第1期を2018年にスタートすることができました。

 


実際に創業支援をはじめてみて

江川:実際にやってみてどうでしたか? イメージ通り?

浜中:イメージを超えましたね!正直「全然集まらないんじゃないか」と思っていました(笑)。起業したいという人は札幌には少ないと思っていたからです。

しかし、たくさんの応募があって 「関心があっても人に言う場がない」「伝えられる人が身の回りにいない」という学生がたくさんいました。

プログラムが進んでいくと企画が形になっていき、応援する人たちが増えたりする姿も見えました。札幌でも十分やれる、という感覚が持てたのが1年目でしたね。

江川:どのくらいの規模にしていく予定ですか?

浜中:moctecoを通じて起業したり、自分で何かやっている人たちが30人くらいになってくると、きっと文化ができ始めるんだと思ってやってます。毎年10人で3年のイメージです。

1人だと異端だし、3人なら「札幌でもやれるかも」という感覚を伝えられる。
10人で目立ち始めて、30人になったら、もはや「起業は普通」という感覚が広がると思います。

その先は、「起業が凄い」じゃなくて「成果を出した人達が凄い」という世界に入っていく。
去年エントリーしてくれたメンバーだと山本くんが『株式会社うめひかり』を今年創業したけど、あんな熱量で突進していく子が30人いるみたいな感覚です(笑)。

江川:それは確かに札幌が変わっていきそうな感覚がありますね(笑)
1年目の取り組みで約3ヶ月伴走して、多くのエントリー者が何かしらのカタチでプランを形にできたのはなぜだと思いますか?

浜中:理由は3つあると思っています。

1つ目は、そもそもプランの実現はそんなに難しいことではないということです。 やらない人が多いだけで、「やりたい」と声を上げれば、応援してくれる人達が現れるし、誠心誠意依頼すれば最初のお客さんを見つけるのは意外とすぐにできます。

2つ目は、「想い」を起点にしているということ。moctecoではビジネスプランを重要視していなくて、何を問題だと思っているか、何を変えたいと思っているか、など「想い」を起点にして話が進んでいきます。

経験やお金が無い高校生や大学生が突破していくには、「想い」が唯一で最大の資源。そこを起点につくっていくと仲間が増えていきます。大人がやるのとはちょっと違うビジネスモデルができる面白さがあるのもココだと思っています。想いをブラッシュアップすることがmoctecoの中心と言っても良いと思います。

3つ目は、やっぱりメンターや仲間の存在。どうしても立ち止まってしまう時ってありますよね。でも、周りの仲間が背中を押してくれたり、メンターの背中を見ていると踏み込む勇気をもらえます。仲間や先輩がいるってとても大切だと思います。

 


一人一人のフェーズや思いに寄り添う

江川:そうですね。では、サポート体制で大切にしていることは何でしょうか?

浜中:…良くも悪くも「決めない」ということです(笑)
創業は一人一人のフェーズも違えば、想いも違う。一律のカリキュラムではなくて、担当のコーディネータと話ながら適宜メンターと繋いで、一人一人乗り越えていくことが大切だと思います。

スタートダッシュが得意な人もいれば、後半でグンと伸びる人もいます。できる限り、エントリーしてくれた人にこちらが合わせるサポートの仕方をしていきたいと思ってます。決まっていることは月に一度集まる日取りくらいです。

あ、あと唯一心がけていることとしては、情報が孤立しないようにしていることだと思います。

横の人が何をやっているか、自分を応援してくれている人は誰かとか、そういう情報は適宜共有しながら、情報の面で孤立しないようにしていると思います。SNSとかはフル活用していますね。

江川:良くも悪くも決めないというのは私も一緒に働いていて、浜中さんらしさを感じるんですが、ルールがない中でまとめていくのって難しいんじゃないかなって思うんですけど、そこについてはどうですか?

浜中:打ち合わせやイベント毎に 必ず「次」を決めています。「次は、この日までにこれを発表しよう」とか「この企画書を仕上げよう」とか、コーディネータとエントリー学生がプロジェクトの進度や、私生活、大学の授業とかも話ながら、次をちゃんと決めていきます。

「次は何をしよう?」と立ち止まるとメンタル的にも辛かったりするので、次を見据えながらサポートするようにしています。

江川:ハードよりもソフトを大切にしている感覚が強いですよね。

浜中:実はハードも結構大切です。集まれる場所として「space360」をサテライトで借りていて、メンバーはいつでも使えるようになっています。イベントの時だけじゃなくて、ふらっと寄れたり、作業ができたり。1期生と2期生がそこで繋がるといいですよね。空間がとってもおしゃれなのでテンションも上がります(笑)

 


学生の立場に立ってコミュニケーションを取れる「凄い人」の存在

江川:エントリー学生からは「起業したい学生と出会える場が少ない。」「moctecoでそういう仲間と出会えて良かった」という声が多かったのですが、他には何か良いところはありますか?

浜中:1期生と話していて、「発表できたのが良かった」という声が多かったですね。キックオフとか、デモデイとか、定期的に人に伝えることがモチベーションになったり、パートナーが見つかったり、次のステップにもつながるいい場だったと思います。

江川:みんなどんどんプレゼンが上手くなっていましたよね!イベントでは道外、特に東京から講師・メンターの方々を呼んでいましたね。その狙いは何だったのでしょうか?

浜中:東京にもよく行っていて、いわゆる「凄い人」には確かに会います。けれど、「凄い人」かつ「学生の立場に立ってコミュニケーション取れる人」に出会うことは少なくって、そういう人に声をかけていったら全国ばらけた、という感じです(笑)

もちろん全員が札幌だとお互いに背景が解って忖度が発生してしまうので、東京、宮崎、福岡の感覚はどうなっているか?とか、違う土地の空気に触れることで、価値観が崩れて再構築されたり、「自分もやれる」と感覚を共有できると思っています。

エントリー者がmoctecoのプログラム外で、宮崎や東京のメンターに会いに行っている学生も結構いて、いいなーと思って見てました。

 


「面白い札幌は待ってても来ない」

江川:メンターさんはなかなか札幌に居ないようなキャラクターの方々が多かったですね(笑)  moctecoを通して学生、社会に与えたいインパクトってありますか?

浜中:そうですね…。

面白い札幌は待ってても来ないじゃないですか?住んでて面白いと感じたり、新しい事にワクワクしたり、そういうことを待つんじゃなくて、自分でつくれるんだという感覚を多くの人と共有できたらなと思っています。

「社会をつくろう」とかいうと大きくてわからないけど、梅干しの事業を始めた1期生の山本くんみたいに
「梅干しをなんとかしたい」と自分の見えてる関心事から社会にフォーカスすると、自分の役割ができたり、自分らしい社会との関わり方が見えてくると思います。

そういう自分らしい街や社会との関わり方を見つけられる人が増えたら、「面白い札幌」が出来上がっていくし、今の高校生とか中学生とかが、この街面白いなって感じてもらえると思っています。

小さい変化がいっぱい生まれる地域になっていくといいなと思います。

江川:なるほど。「面白い札幌は待ってても来ない」いい言葉ですね。その小さな変化や価値を応援してくれたり、感じてくれる人が増えたらいいですね。

浜中:そうですね。moctecoコーディネータの西元くん(写真中央)が作ってくれたイベントページの「勇気を出して踏み出したので応援してあげてください」って、凄くいい言葉だなって思ってます。

プランや成果も大事な要素ではあるんだけど、勇気をもって手を挙げた、ということ自体が称えられるmoctecoでありたいし、関わる応援者の皆さんともお互いにそうなれたらいいなと思っています。勇気に拍手を送るっていいですよね。

江川:これからmoctecoがどんな場になっていくと良いと思いますか?

浜中:moctecoのメンバーのチャレンジを見ていると、自分自身もチャレンジしたいなって思えるので、応援する側にもそんなことを感じてもらえたら嬉しいですね。ピュアにチャレンジする姿を見るって、やっぱり勇気もらいますから(笑)

一方で大人側にも、背中を見せてほしいと思っています。全員がチャレンジを応援し合ったり、勇気を讃える場になったらいいですね。

江川:自然にそういう場が生まれてくるといいですよね。今日は色々と聞かせていただいてありがとうございました。

最後に、9/19にはエントリーメンバーがプレゼンをするキックオフがあります。この記事を読んで「行ってみようかな」と思ってくださった方もいるかもしれないので、何かメッセージがあればお願いします。

浜中:何かをやろうとしている高校生・大学生にとって、応援してくれる大人が一人でもいるって、本当に心強いことです。僕も学生の時に「あなたならできる」と言われたのは今でも残っています。 だから、彼らの思いを応援してあげてください。

一方で、応援する側も「あれ?自分は何がやりたいんだっけ?」と気づきとか学びとか、感じることも多いと思います。学生のピュアな話を聞くことで、自分の中に新しい発見があるはず。なので、それも楽しんでもらえたらいいなと思います!

 


まとめ

浜中さんにここまでmoctecoのことを根掘り葉掘りインタビュー形式でお聞きしたのははじめてだったのですが、 moctecoをはじめた経緯や、札幌全体に対する思いをあらためて聞けてよかったです。

今年は9月19日(木)19:00〜にキックオフイベントを開催します。ゲストの土屋 有さんは昨年のデモデイにもお越しいただきました。興味をお持ちいただいた方は、ぜひこちらから!

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