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【イベントレポート】12月16日(木)に「創業支援プログラムmocteco【モクテコ】 Demo/Day FINAL」を開催しました!

こんにちは!NPO法人北海道エンブリッジ、インターン生の吉村です。本日は12月16日(日)に行われた「創業支援プログラム mocteco【モクテコ】Demo/Day FINAL」の様子をご報告させていただきます。

<イベント概要>
イベント名:mocteco【モクテコ】Demo/Day FINAL
日時:12月16日(木)14:00~17:00(開場13:30)
場所:space360 (中央区南1条西6丁目20-1 ジョブキタビル8階)
参加者:37名
主催・運営:NPO法人北海道エンブリッジ

<Moctecoとは?>
今年10月より始まった、高校生・大学生に向けた創業サポートプログラムです。自分で土俵を作り、チャレンジしていく学生をエンブリッジが支援し、起業経験者や様々な分野のプロフェッショナルがビジネスになるまでサポートしています。
今回が全4回のうち、最後の報告会となりました。
詳しくはこちら

<イベント内容>
はじめに、NPO法人北海道エンブリッジ代表理事・浜中裕之よりmocteco【モクテコ】Demo/Day FINALの開催趣旨の説明とプロジェクトの成功につながりやすいステップについてお話していただきました。

自分の考えた企画をプロジェクト化するにあたって、大事なのは4つのステップ。
1.「興味関心を企画に」
まずは、とにかく形にすること。そこから修正を行う。
2.「身近な人に使ってみる」
友人など身近な人に試してもらい、改善点を見つける。
3.「第三者に広げる」
プロジェクトに対する責任感を持つ。
4.「大きく広げていく」
ビジネスとして戦略を立てて進めていく。

この4つのステップをしっかりと段階を踏んでいくことができれば成功に繋がりやすいとのこと。

大学生のうちに少しでも自分で仕事を「つくる」経験をしていると「働く」選択肢の幅が広がるということ、首都圏では大学在学中から自分で事業を立ち上げ成果を上げている人がたくさんいるという事実。しかし北海道ではまだまだそうした動きが少ないのが現状。その先駆けとしてmoctecoが先頭に立って、サポートしていきたいと考えています。


続いて、スペシャルゲストの国立大学法人宮崎大学 地域資源創成学部 講師 土屋有氏に登壇していただきました。

<プロフィール>
土屋 有 氏
宮崎県出身 1980年生まれ 38歳。
大学在学中にベンチャー企業取締役となり、26歳で上場。その後、面白法人カヤックでの事業部長をはじめ複数の企業の役員を歴任。2015年より宮崎大学に着任(現在、カヤックLiving顧問)。33歳で宮崎にUターンし、地元IT企業の役員として、宮崎県内でシングルマザーを対象としたクラウドソーシング事業・EC支援事業を立上げ2年で数億円規模の事業化。県内100名以上が平均2万円~/月の収入を得るモデル構築し、「ガイアの夜明け」などにも出演。

今回土屋さんには、北海道以外で創業機運を行っている方からの目線や大学でビジネスコンテストを行っているお話を中心に話していただきました。

九州と言えば?福岡!ではなく、宮崎!にすることを目標にしている土屋さん。福岡が注目されがちですが、最近宮崎は非常に元気がいいということを教えていただきました。

3年前に宮崎大学に着任してから、始めたのが「宮崎3カ月起業プロジェクト」。
”起業は会社をつくることではない。自分で答えを見つけ、価値を創り出すこと”をキーワードにして短い期間で会社を起こすキッカケとなる事業を考えてトライしてみることを学生にやってもらうというものです。

例えば、高校1年生の女子生徒の方が発案した、「アンブレラスカイで地元商店街を彩る」。地元の商店街が台風で屋根が損壊してしまい、雨が降ると客足も減ってしまうことを改善したいと考え、なんと2週間で資金調達をクラウドファンディングで100万円以上集めました。商店街のアーケードにポルトガル発祥のアンブレラスカイを並べ、商店街に活気が戻ったというお話。身近なところから、そして年齢など関係なく、気持ち一つで大きく社会を動かすことが出来るとのこと。

さらに、土屋さんが伝えた一番大事なことは、
『できるできないは、周りの空気に飲まれてるだけ』。
「地方出身、学生、年齢は関係ない。やった人にしかわからない世界がある。まずは一歩を踏み出し、違う世界を見よう。チャレンジしている人はとにかくカッコいい。大人はとにかく否定せずに応援すること。学生は一歩を踏み出している人に乗っかるのもあり。そして自分の意見も言うのもあり。」とお話していただきました。

自分の信念を強く持っている方であると感じました。「周りの空気に飲まれているだけ」という言葉は、とても印象的な言葉でした。何か始めるときは周りの目線を気にしがちですが、それを乗り越えてスタート出来れば、新たに自分だけにしか体験できない世界を見ることが出来ると、土屋さんだからこそ説得力のある言葉だと思いました。

 

続いて、エントリーメンバーのプレゼンに移りました。
コメンテーターとして、御三方に登壇していただき一言ずつ応援メッセージを残していただきました。
・国立大学法人宮崎大学 地域資源創成学部 講師 土屋有 氏
・北海道情報大学 情報メディア学部 教授 安田光孝 氏
・モリタ株式会社 常務取締役 近藤篤祐 氏

1人目:多田健輔さん (北海道大学 経済学部2年)
多田さんは、コンビニでバイトをしていた時にキャッシュレス決済が多いことを発見し、「最先端技術を身近の生活に活用できないか」と考えました。
HELICAM株式会社でインターンを開始し、ドローンのレンタル事業を中心に活動しています。北海道は美しい自然景観が多く、写真では撮れない風景をドローンで上から撮ることで新たな風景に出会えるとのこと。そこで、「ドローン」と「観光」を組み合わせて、価値を生むことを目標としています。
北海道の観光地や宿泊地でレンタルのドローンを点在させ、ドローン文化を生み出すと語っていました。

コメンテーターから<安田さん>
北海道はドローン天国。飛ばせる場所が多い。海外の友人が日本に来た時に、ドローンを持参してきた。今は、ドローンが当たり前の時代になってくる。ビジネスと考えるときは、何が障壁になるかを考えて。実際に行動にうつせれば成功すると思う。

2人目:古舘佑真さん (北海道大学 経済学部4年)
古舘さんは、下川町で林業に関するインターンを始めた時、木材一つでも全く違い、同じ種類の木でも全く同じことはないことを発見。この魅力を第三者に伝えたいと考え、木材を売る事業を開始しました。
「日常に森を」をキーワードにして、様々な活動を行っています。木の生まれた場所や種類などを知ってもらい、DIY体験で世界に一つだけの木材の作成などを開催しています。さらに、オンラインショップを作成し、木材の発注なども行っています。
木を使って下川町との循環を生み出し、「森を盛り上げよう!」と語ってくれました。

コメンテーターから<近藤さん>
突拍子のないことをしてほしい。例えば、木にQRコードをつけて、それを読み取ったら木の情報が出てくるなど、誰もやったことのないことに取り組むことで新たな価値が生み出せるのでは?

3人目:廣部拓巳さん (北海道大学 理工学部3年)
廣部さんは札幌の大学に通っていますが、富良野の星の綺麗さに感銘を受け富良野に居住を置き、4日富良野3日札幌を行き来する強者です。
1年前に富良野で生活を始め、人も街も魅力的であるにも関わらずなかなか定住に至らないことを実感。そこで、地域(富良野)で生活することと働くことも魅力的に、刺激的に感じてもらい、富良野ファンを増やすことを目標にしています。現在は、卒業旅行の場所として富良野に来てもらうべく、オムカレー屋の社長さんとウェブサイトを立ち上げています。

コメンテーターから<土屋さん>
非常に面白い。観光業は離職率が高いのが問題。考えながら働ける場を提供していくことが出来るなら成功するかも。

4人目:田中和さん (北海道大学 農学部2年)
田中さんは、沢木耕太郎氏の『深夜特急』に感銘を受け、世界を見て活躍したいと感じました。
そこで注目したのが「学生の旅行客」。学生の現状として、お金と時間がないことが大きな問題になっています。旅に行く行為で価値を生み出せないかと考えた結果、企業や個人から
案件として報酬をもらい、海外で案件をこなしつつ旅をするというものです。例えば、その土地でのアンケート調査や地価調査など、ただ旅行に行くだけではなく、その土地で一つ仕事してお金をもらい、結果的に黒字の旅になるというものです。
新しい価値を生み出すべく、企業と個人をマッチングできるようなアプリを開発することが今の大きな目標とのこと。

コメンテーターから<土屋さん>
クラウドファンディングやフレンドファンディングなどを使って資金集めを行い、自分たちのやりたいことを進めるのは全然あり。1つに絞って具体的に進めていくと、必ず手を挙げる人はいる。

5人目:山本将志郎さん (北海道大学院 生命科学修士2年)
山本さんは、和歌山県みなべ町出身の梅農家に生まれました。
梅農家は現在、後継者不足が大きな問題となっています。梅を収穫しても、味付けは加工業者が全て行ってしまうため農家の実感につながらなく、投げやりな栽培になってしまっていることが非常に残念であると感じていました。
一番は、山本さんの兄がこだわりを持たず栽培し、農業が「楽しくない」と言っていたことを「楽しい!」と言わせるようにと動き始めました。
現在、山本さん自身で漬けた梅干しを7店舗と契約を結び、今年から消費者の声を聞いて回るために軽トラに梅を積んで日本一周をします。

コメンテーターから<安田さん>
最初の目標である、「兄を喜ばせる」ということをずっと大切にしてほしい。スピードは気にせず、地道に続けていくと成果がでるかもしれない。

続いてグループを組んでワークショップを行いました。
テーマは「北海道、札幌をどう盛り上げるか。そして起業を広めるには?」

学生や社会人など、様々な立場の目線から多くの意見を出していただきました。
学生からは、「大人の世界は難しそうで勇気がいる」「起業してみたいが、相談できる人が少ない」など学生ならでは意見が出ました。
一方、社会人からは「大人ならではの情報提供や学生の支援をしていきたい」「最初の一歩を踏み出せるような土台を作っていきたい」といった意見がありました。
共通したキーワードは、『学生と社会人が気軽に集まれるライトな場を』ということでした。
学生が起業に対するハードルを低くできるような情報をもっと提供できる場を設けていけたらと思います。

↑(ワークショップの様子)

最後に交流会を開きました。
今回は、Ten to Ten Sapporoさんのご協力をいただき、さらにエントリーメンバーである山本さんの梅とコラボして3品フードをご用意しました。立食の形で行いどの料理も梅とマッチし、とても美味でした!

<イベントを終えて>
10月からスタートした創業支援プロジェクトmoctecoは、今回で一段落しました。エントリーメンバーの方も3か月間多くのことを考え、立ち止まってしまうところもあったと思います。しかし、今回のDemo/Dayでのプレゼンは今後大きく進展していくように感じました。今回で終了ではなく、ここからがスタートのような気がします。これからもエンブリッジはサポートを続けていきたいと思います。
そして、4回行ったイベントに登壇していただいたゲストの方々、本当にありがとうございました。若者の創業を応援するべく、それぞれの言葉を残していただきました。その言葉はエントリーメンバーは勿論、イベントに参加していただいた方にも残るようなものでした。心からお礼申し上げます。
これからさらに多くの若者が、自身の企画をプロジェクト化し、その問題を解決していけるような支援や場の提供をしていけたらと思います。
全4回、無事にイベントを終えることが出来たのは、携わっていただいた方のご協力のおかげです。本当にありがとうございました。今後とも、エンブリッジをよろしくお願い致します。

(NPO法人北海道エンブリッジ インターン生:吉村 孝太)

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